スピード感のなさ、だいじ。
▼
世の中がめまぐるしく変わったり変わらなかったり、便利になったりそうでもなかったりする昨今ですね。
あたくしはとにかく体力がなくて、いちにち一個か二個くらいの仕事をするとくたびれ果ててしまいます。
そういうからだなので、できるだけ効率的に、かつ楽に、お仕事をのりこえることをずっと考えているんですけども。
効率化したり、しなかったり。いそいだり、いそがなかったり。
単に選択なんですけど、なかなか難しい問題もあるなあというおはなしです。
※まったく仕事上のライフハックとかではないです。
▼
あたくし、お仕事のお問い合わせを、体感でだいたい6割くらいはお断りしているんです。なぜかというと急ぎだからです。急ぎはほんとうによくない。あまりゆっくりでもよくないけど、だいたいよいスピード感というのがあります。それがあたくしとクライアントとで異なっていると、まったくよい仕事ができないんですよね。
たとえば仮面の製作ですが、おおむね3ヶ月いただいています。逆に、とにかく時間があって長くかかるプロジェクトもあまりよくないとおもっています。スケジュールに空きがあるタイミングから3ヶ月です。これ、時間をかけるのはほとんど調整の部分なんですけれども。
いずれにしても、歩幅を合わせるのがだいじで、とにかく急いでやってくださいみたいなお仕事はきほんてきにごめんなさいをします。あるいは下調べが十分でなく、美術製作の下請けだと思われていてもとまったくよい仕事にならないので、お断りします。
そんなはなしで、とにかく電話でしか連絡がこないとか、メールの返事を一日二日サボるとめっちゃ催促されるとか、そういうゆとりのないところとはそもそもお仕事できないなあ、という。
いや、とはいえそんなこと、仕事なんだからこっちが都合つけろというのもわかるんですけど。、
ほんのちょっとでも、そういう、リズムみたいなものがずれていくと、とにかくお互い気持ちがよくないですよね。
なんでも今は、技術的にスピードが出せるようになったぶんだけ、そのスピード感に自分を合わせようとしがちだけども。
なかなかひとのほうがスピードについていけないし、行かなくてもいいんじゃないかなあっていうことも、多くなってきたのかなと思います。
▼
物理的に早くできることは早くできる。でも、もっと早くもっと早くとやっていくと、早晩人間の方に限界がくる。
人間がやって楽なことにテクノロジーを使うのはいいんだけども、きっと人間を忙しくするために使うべきではないですよね。
自分がどのくらいのスピードで歩むのが性に合っているか、いったん考えてみたたほうが健全なんじゃないかしら。
あるいは、そのことをこそ丁寧にすり合わせていけば、意外と目の前の仕事なんて大したもんじゃないんじゃないか。
ゆっくりしたリズムで歩んでいきたいなあ、と思う日々です。