大川原脩平
舞踏家。
都市に暮らす人々の生活──日常や仕事の合間に分け入って踊るスタイルを特徴とする。劇場型作品においては、現実を舞台に侵食させる手つきで作品制作を行う。
「ものをつくらない」ことを活動の軸として掲げ、従来のダンスの枠を超えたアートプロジェクトの設計やコンセプトデザインを行いつつも、つくることへの懐疑的な眼差しを保ち続ける。企業や教育機関などでの研修やファシリテーションでは、徹底的にプロセスや成果物を脱構築し続けることに定評がある。
2014年、日本ではじめて現代作家の仮面を取り扱う仮面専門店をオープン。日本における「新しい仮面文化の創造」をテーマに、日本最大級のマスクの展示即売会TOKYO MASK FESTIVALの発足をはじめ、仮面に関する総合的な活動を行っている。
仮面をはじめ、さまざまな物品を取り扱う「ディーラー」としての顔を持ち、専門店を複数経営するほか、アーティストの作品に独自の販売形式を実装することを生業としている。“たばこのふりをしてトランプを販売する”うそのたばこ店などもその一環。
株式会社うその代表。
舞踏家福士正一に師事。
主な活動
舞踏:Butoh
独学でアニメーションダンスを学んだのち、17歳から舞踏家、福士正一に師事。日本発祥の舞台芸術「舞踏(Butoh)」のダンサーとして活動。舞踏家としての信条は「ゆっくり動く」。
代表作に豆をテーマにしたダンス“豆シリーズ”「豆腐の世界」「ぞうとまめ」「珈琲に関するまめのはなし」などがある。
また、振り付けの解釈を広げた作品を多く制作。初対面の参加者同士で魚を焼くダンス「炭火で魚を焼いて食べる」や、パーソナルな日常を振り付ける「あなたのための振り付け」、ラジオ体操を舞踊芸術とする「ラジオ体操道」プロジェクトなど。
仮面作家坂爪康太郎・フォトグラファー大崎えりやとのユニットTEAM MASKとしても活動している。
仮面:Mask
現代作家の仮面を扱う専門店「仮面屋おもて」を運営。墨田区にある商店街の一角に店を構える。
また日本最大級のマスクの展示即売会TOKYO MASK FESTIVALを発足したほか、仮面に関するあらゆるイベントの企画・制作や海外の仮面文化を紹介する活動なども行っている。
近年は一般の人から顔を買い取り、販売するプロジェクト「あの顔」が世界的な注目を集めており、海外からの信頼が厚い。自分自身の顔をはじめとするあの顔シリーズはオーストリアのMAK応用美術博物館に収蔵されている。
インプロ:Impro
台本のない状態から即興でストーリーをつくりだすショー「インプロ」のパフォーマーとして長年活動。
子供向けのパフォーマンスや大道芸の要素を用いたショーも行う。また、世界でも数少ない「マスク」のインプロを積極的に行っており、他では見ることのできない独特のパフォーマンスで知られる。
近年はジェンダー・バイアスの問題を探求するフォーマット「ザ・ベクデルテスト」に関心をよせ、調査研究を行っている。
ワークショップ:Workshop
企業・教育機関・パフォーマー向けにワークショップの企画・制作、研修講師等を行っている。
小中高、大学での演劇・舞台プログラムの実施から、企業向け研修開発や、メーカーと協働したプロダクトのためのワークショップデザインまで幅広い実施経験がある。企画監修・コンセプトデザイン・ファシリテーターも務める。
企業案件では特に、業務の内外にアートプロジェクトを組み込むことで通常業務をより一層楽しく、クリエイティブなものにすることを企図して活動を行っている。
また仮面屋としての特性から、仮面を用いての演技や身体にフォーカスしたプログラムの要望が多いが、参加者の属性を問わず多様な対象に開かれている。
近年の活動実績から「お店」「暇」「お金」「贈与」「公共」「健全性」「働き方」といったテーマで講演や報告を依頼されることが増えている。
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